本当の「優しさ」
東京に住むある家族の元に尾道から遥々子供や孫に会いに来た祖父母の物語。
自身の家庭や仕事で両親に構う暇がない中、戦死した次男の妻が彼らに心温まる気遣いをみせる。
小津監督が描く、肉親だからこそ欠如する愛情と、他人だからできた大きな愛情を見事に描いている。
家族なんてほとんどいない僕からすると、ほとんどが他人との触れ合いになる。
自分で言う事ではないが、だからこそ人に優しくすることができる気がする。
とても共感ができる映画なんだ。
この優しさはいつの時代も語り継がれるもので、その反面、肉親に対する愛情が無いわけではないが、他人行儀の様な振る舞いになるのもある意味で必然なのかもしれない。
それでも家族という暖かさは素晴らしい。
夫婦で家族でも、元は他人。
どれだけ親しい家族同然の仲間でも、元は他人。
だからこそできる本当の優しさがあるのかもしれない。
まだ観た事ない人は是非観てほしい。
本当の優しさとは何か。そのルーツがこの映画に詰まっている。
Super,
lenely